廃業(仮)ではユキタロウを演じておりました。
今回は「上手(かみて)ちゃん」についてちょっと書いてみようと思います。
そう、ウイングフィールドに出るといわれているおばけちゃんのことです。
「廃業(仮)」中ではキーワードとしてちょこちょこ出てきていました。
あ、ご存知の方も多いとは思いますが、上手とは、お客様から見た舞台の右側のこと。
今回の芝居は舞台裏という設定だったので、しもてのことを上手と呼んでいたのです。
稽古中も、実際の上手と劇中での上手が逆なので、呼び方に困ったり。
「本上手(ほんかみて)と呼ぼう!」とか、なかなか混乱の種でした。
勘違いなされませんよう!
ホールに入って、装置も組みあがり、舞台で稽古をしているときのこと。
今回のお芝居では、私は舞台袖に走り去るシーンがあったのですが、稽古後に、
「さっき袖にはけるとき『痛ッ』っていってたやろー、うまくはけられない?」
と、声をかけられました。
んん?私にそんな覚えはありません。
はけるのはヘタクソだったかもしれないけれど、声を上げてはいないはず。
まさか、上手ちゃん?
『舞台の上手ウラにぼうっと女の子が立っている。
役者にもスタッフにもそんな子はいない。
でも、いる。
しかも、芝居が面白くないとか、ミスをやった時に限って…』
いやいやいや。
私の走り去る袖は、下手、しもてですよ。・・・
あ。
違ったのです。舞台裏の芝居をやっていたのでした。逆です。
私が走り去った袖は、実際には下手ではなく、上手。
きゃー!
私に霊感はありませんが、人知れず背筋が寒くなった瞬間でした。
出てきてたってことは、私の芝居がダメだってことなのか?!と気合を入れ直しましたが。
その後、上演中にはそのようなことはなかったので、上手ちゃんの満足のゆく作品になったのかなぁ~、
なんて思っておりますが、皆様いかがでしたでしょうか?
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