僕は埋めた。地下深くに埋めた。
そして蓋をした。
分厚いコンクリートで、何度も、厳重に、細心の注意を払って、それが二度とわたしの前に現れないように。すっかり忘れられるように。
そして、僕はいまここにいる。埋めたおかげでここにいることができる。たくさんの人々に囲まれ、愛されている。
だがしかし。
いらなかったはずのものを埋めたのに。
頭の中から「埋めた記憶」が消えないのだ。一緒にどこかに消え失せて欲しかったのに。
弱ると不意に「記憶」に襲われる。覚えてないことまで思い出す。
そして、また「今日」が来る。相変わらずの「わたし」がいる。いつも通りの「ここ」にいる。
結局、完全に埋めてしまっても、わたしからは、どこにも逃げられないのだ。
だから、僕は旅立つことにした。誰も、わたしさえも知らないところへ。
いろいろなことをキャンセルして、新しい自分をつくろう。
今週末、ロケットに乗るつもりだ。
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