引っ越しが多く旅行もする私にとって「思い出」と呼べる駅や路線はいくつもありますが、その中でも大きな存在となっているのは、やはり地元、JR山陽本線の長府駅~下関駅間。山陽本線は本州瀬戸内沿岸を走る534.4 kmにわたる路線で、神戸から福岡の門司まで続いています。私鉄の「山陽電気鉄道」とは関係ないので注意です。以下、趣味の話なので少々長くなりますがお付き合いください。
1月に成人式のため帰省をし、久しぶりにこの区間を利用しました。実家の最寄は長府駅。近くに商業施設があるわけでもない、中心街・観光地である城下町まではバスで15分かかるという超悪立地。券売機で切符を買って、駅員さんに見せてホームに向かい、国鉄(いわゆるJRの前身)型の黄色い車両(末期色、なんて呼ばれています)に乗る……高校在学中は通学定期を使っていたし、大阪に来てからはICOCAですいすい乗車していたので懐かしいような面倒くさいような。席は空いていましたが、高校時代のように、窓側に立ち景色を眺めることにしました。山や田んぼばかりですが、こういうのを「エモい」というのだろうな、と斜に構えたノスタルジーを感じながら、新下関、幡生……それぞれ思い出がある駅です。
新下関は新幹線が停まる駅で、修学旅行はここからスタート。今でも接近予告チャイムを聞くとわくわくします。ホームと改札間の距離が長すぎるのが特徴。幡生は高校の最寄(徒歩20分!)。山陰本線が乗り入れていて多くの高校生が使いますがコンビニすらありません。よく自販機で飲み物を買って友達と駄弁りながら電車待ちをしていました。また車両基地や貨物の操車場があり一種の鉄道の要所ともいえるでしょう。「幡生入場」で検索すると関西を走っていた車両の写真がヒットするかも?
そして終点下関。毎日使うような駅ではありませんでしたが、週末遊んだり、演劇の大会があったりしたときによく利用した駅です。駅に着くと、向かい側に停まっている白い電車に乗り換えれば福岡に行けてしまう。端っこのホームには日本海側に向かう赤い電s…汽車や、いつかは乗ってみたい「瑞風」なんかも停まっていたりします。いろいろな顔の車両が停まっていて多方面に行ける駅でオタクはわくわくしちゃうんです。
山口県西部は下関駅以外自動改札がないのでこの区間は切符でしか利用できません。(下関駅にあるのは、九州方面に行くためのものです。)超ド田舎のローカル線でもないのに。しかしこれから対応区間を増やすらしく、車両も東側から順に新型に置き換わっていっているので、切符を買って古い車両に乗って、なんていうことはいつかできなくなってしまうかもしれません。便利になるのはいいことですが、変わってしまうのはなんだか寂しいですね。次いつ帰れるかわかりませんが、また使いたいなと思います。
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