2023年04月03日

岸川丈流の「私の好きな言葉」

なんでやねん

なんでやねん.世界で最も有名なツッコミフレーズだ.
その汎用性は高く,いつ,どこでも,どんな時でも発動でき,関西人の代名詞ともいえるキラーフレーズだ.なんでやねん,その一言だけで,ありとあらゆるボケを完全に封じ込め,そしてその無慈悲なまでの破壊力はボケた者の戦意を喪失させ,中にはPTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)になり,二度とボケられなくなる者もいるという.
私は関西ではいつ,どこから,なんでやねんが飛んでくるのか恐怖におびえていた.じゃけど,大阪に行くんを選んだんは自分じゃ.ワシは令和のお笑い帝国オカヤマの誇り高きお笑い民族オカヤマ人じゃ.その誇りを胸に自分のお笑いを貫き通しちゃらあ,そう決意し戦場に踏みたった.
そしていつ飛んでくるかわからない無差別殺戮兵器への恐怖を持ちつつ,カンサイ人との激しい戦いの日々を過ごして数か月,ある2劇の先輩がこう言った.
「なんでやねんなんて言いませんよ.だってなんでやねんって最も下等なツッコミじゃないですか.」
衝撃だった.頭にタライでも落とされたかと思った.落ちてなかった.彼によると,なんでやねんは何も考えてない奴の言うツッコミだそうで,そんな思考停止したツッコミなんかしないし恥ずべきことだといった.その後半年間で彼は2回ほどなんでやねんと言った.
これを読んでくれた新入生の方々の中には新生活への不安を抱えている方もいるだろう.確かに奴らツッコミは腹をすかせた狼の如く虎視眈々とボケを狙っている.だが,恐れることはない.ツッコミはボケがないと何もできないのだ.つまり,奴らの手綱はこっちが握っている.いつどんなボケをするかはあなた次第.自分のペースでいい.ゆっくりでいい.たまには寄り道したっていいじゃない.何事もそう最初からうまくいかないなんて,あなたも知ってるはず.けれど,だからこそ,あなたは努力を重ね,ここに来ることができた.そしてどうか忘れないでほしい.あなたがここに来た理由を.その思いを,決意を,貫き通すための力になれたら,と劇団員のみんながそうおもっています.いつでもいい.観客でも団員でもいい.理由もいらない.㐧2劇場はあなたのために開場してます.キレッキレのボケにあたたかいツッコミをそえて...

オカヤマの陽当たりのいい子供部屋より
posted by 㐧2劇場 at 14:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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