2019年03月24日
「AIとまこと-完全版-」について、少しだけ。
2019年03月12日
AIとまこと-完全版-
2019年03月10日
AIとまこと-完全版-
『AIとまこと-完全版-』
作:音間哲
演出:阿部茂
【日時】
3月8日(金) 19:30
9日(土) 13:00/17:00
10日(日) 11:00/15:00
※受付開始は開演の45分前・開場は開演の30分前
【場所】
音太小屋
〒530-0031 大阪市北区菅栄町3-15
【料金】
一般前売:2300円
学生前売:1800円
一般当日:2500円
学生当日:2000円
【チケット予約】
http://ticket.corich.jp/apply/96666/
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2019年03月07日
音太小屋までの行き方
7枚目
11枚目
2019年02月02日
【2劇通信・幕の内タケ】新人役者インタビュー【AIとまこと】
今回『AIとまこと-完全版-』に出演する新人劇団員の後藤みゆ・森菜々穂・早川夢の3人に心情を吐露してもらいました。(インタビュー:中村斗輝)
後藤 今日の稽古で早川さんの運動オンチが面白くて笑っちゃったり、人間っぽいしぐさをしちゃったりすることが多くて、しまったなーと思ってます。
中村 これからどんな風にお芝居を作っていきたいですか
後藤 なんとなく自分の理想のイメージはできてるので、頑張ってそこに近づけていきたいです。
森 私の役、オーディションの時は『スター』とだけ書いてあって。いやスターって何なんだと。私の実生活はそんなに華やかじゃないし、どうしようかなぁって感じです。
中村 ふと気になったんですけど、森さんにとってのスターって誰ですか
森 スターねぇ。私はあんまり人にあこがれたことがないなぁ。かっこいいとかかわいいとか、尊敬したりはするけど、その人みたいになりたいと思ったことはないかな。
(一同、意外な返答に驚く)
中村 …なるほど。では早川さんお願いします
早川 正直、オーディションの段階で『私に求められるのはこんな感じなんだろうな』とか思ってた。私がヘマすることを期待されてるっていうか(笑)。私そんなにアホっぽい人間じゃないと思うんだけど。
後藤 えー、なんかでも気づいたら出ちゃってない? そういうのが。
(早川以外大いにうなずく)
早川 待って待って、そんなことないよっ!!
森 機械が書くものって、100%模倣にしかならないんじゃないかなぁ。AIって『創造』ではなくて『学習』だから、新しいものは出てこないと思う。
早川 AIが書くなら、やっぱりはずれがなくて面白いものにはなると思う。でも、作品を通じて何かメッセージや感動を伝えようとする場合には、実際の経験の重みには勝てないんじゃないかな。
後藤 AIって心の温かさがないイメージがある。私はたぶん先入観でAIを毛嫌いしてしまうから、その作品には共感できないんじゃないかなー。
中村 じゃあ、自分が大好きな作品が、後になってAIの書いたものだとわかったらどうしますか
後藤 えーっ、その場合は……AIでも認めちゃうかな……。
早川 私だったら自分の見る目のなさに絶望しそう。
後藤 AIは人間がどういうときにどんな気持ちになるのかを全部記憶していると思うけど、人間の気持ちって実際の生体反応を伴っている気がする。ホルモンとか、血圧とか。
だから一見感情があるように見えても、完全に人間と一緒ではないだろうなと思う。
森 AIは効率的に生きていると思う。例えばコミュニケーションでも、人間同士だとそれぞれが持ってる言葉に対する感覚の違いがあるから、うまく伝わらないことがある。でもAIの場合はそういうことがないから、もっと効率的に情報の共有ができると思うなぁ。
早川 私はAIに人間らしくなってほしくない。そもそもAIは人間の行ってきた作業を能率的にこなすために造られたわけで。そこであえて人間の真似をさせる理由がないなと思う。人間らしさがないとできないことは、人間がやるべきだよ。せっかく生きているんだから。
後藤 AIが賢くなりすぎたら、能力の面ではぜったい人間を超えてしまう。現時点は人間にしかないものがたくさんあるからいいけど、それすら真似されたら人間の立ち位置がなくなっちゃいそうで怖い。
森 でも、AIに子育てはできなさそうだなぁ。子供って愛情がないと死ぬらしいし。
後藤 それを真似することはAIにもできるんじゃない? 愛情があるかないかなんてわかんないし。
早川 人によっては首を絞める行為も愛情表現の一つだからね。
後藤 今だって森ちゃんの気持ちでさえわかんないのに、AIの気持ちなんてわかんないんじゃない?
(以下、思いのほか議論が白熱したため割愛)
中村 例えば今目の前にいる人の脳みそも、実はAIだったっていう可能性も否定できないですよね
後藤 私、小さいころそれすごく考えた。自分以外みんな作り物なんじゃないかって。
森 考えた考えた。っていうか、本当は自分がAIだったっていう可能性も否定できないよね。
後藤 人間がモルモットを見るように、人間も知らない間に誰かに見られているのかも。たまに、どこからか誰かに監視されているような気がするもん。
早川 人間はどこまで不幸に耐えられるのか、試されているのかもね。
後藤 結論。世の中はわかんないことだらけ。
森 それが一番正解に近いと思うなぁ。
中村 さて、あまりスペースがないので早川さん、今回の公演全体について、思うところをお願いします。
早川 2劇、本気出してきたなという感じ。今まで社会人の方との共演があんまりなかったので、それがすごく面白いです!
2019年01月14日
【2劇通信・幕の内タケ】対談:音間哲×阿部茂【AIとまこと】
今回、㐧2劇場にとって久々となる本公演。新年早々上演に向け動き出す劇団員たち。しかし一体どんな物語になるのか、まだ我々の誰にも知る由はない。完全新作『AIとまこと-完全版-』について、新年最初の稽古を終えた後、作・音間哲、演出・阿部茂に話を聞いた。場所はもちろん行きつけの居酒屋「かさ家」。いつもと全く変わらない新年の幕開けである。(インタビュー:大川諒平)
音間 あるところに売れない劇団がありまして、売れないのにはとある理由がありました。その劇団は、よそがみんな使っている台本生成プログラムを使っていなかったんです。新公演を企画するけど、あちこちが破綻して大変なことになってしまう。そんな、AIに頼れない時代遅れな座長と、なぜか彼の傍にいることになったAIの物語。という感じかな。
大川 AIの出てくる話っていう構想が出てきたきっかけみたいなのって何かあるんですか?
音間 将棋の電王戦(コンピューターソフトとプロ棋士による対戦)ってやつで人間側の負けが確定したって時代に、それに関するドキュメンタリーの本を読んだのよ。それで、負けた側の棋士の立場になってみたいなと思って。俺に置き換えるとどうなるのかなって考えたら、AIが書いた芝居が俺より面白いってシチュエーションに行き着いたと。
阿部 その話はね、どうも2014年くらいに既に一度してたみたいなんだよな。
音間 俺も昔のファイルとか漁ってたら、丁度その年に内容をメモしたものが出てきて、その時点でほぼ内容も決まってたから、俺そんな前からこの話考えてたんだ、と思って。AIによる台本生成プログラムみたいなのが出てくるんだけど、一応設定としては、プログラムではなくプログラムの使用権的なものが金で買えるみたいな仕組みで、プログラムに台本を一本作ってもらうごとに幾ら、みたいな。で、ソフトの種類とか盛り込んでほしい要素とか、完成度の指定とかで金額が変わってくると。もちろん高ければ高いほど、より芝居の質に関して保証されるっていうね。
大川 物語のカギになるポイントは何でしょう。
音間 人間でもなく、ロボットでもない、実体を持たないAIっていうキャラクターが人間の形をして出てくる、っていうのは一つあるかな。
大川 なぜ人間の形をしてるんですか? 彼女は。
音間 多分いろんな形になれると思うんだよね。たとえば、もっとロボット然としたような姿にもなろうと思えばなれる。ただ、そういう技術的な話に全く興味のない座長が適当に選んだ女の子の姿をしてるだけ、なんだと思う。
大川 今回、キャストを決めるにあたって劇団内で珍しくオーディションを行いましたけど、どうしてオーディションをやろうって事になったんですか?
阿部 まぁ別に当て書きにしてもよかったんだけど、最近、劇団員の数が増えたじゃないですか。折角だから、せめぎあいみたいな事がやってみたかったんだよ。
音間 多分、そもそもオーディションができるチャンスがそうそう無いだろうから、今のうちにやっておきたかったなっていうのが一番だな。
阿部 やってる側としては、みんなを一人ずつ外に呼び出して尋問するの、あれが一番楽しかった。
音間 最悪だ。
大川 実際にオーディションをやってみた感想は。
音間 うちは大体が当て書きだから、そういう意味では「こんな役がしたい」みたいな選択肢が無いのよ。っていう声が上がってくることもあまり無いし。そういう意味で言うと、役者それぞれの欲求みたいなのがちょっとだけでも垣間見えたのは面白かったな。
大川 演出の阿部さんから見て、今回はどんな芝居になると思いますか?
阿部 これはねぇ、本当にドロドロな芝居になりますよ。久し振りのドロドロじゃないですかね。
大川 と言いますと。
音間 あのね、特にうちを観慣れてる中でそう感じるお客さんが一定数出てくるんじゃないかとは俺も思うんだけど、これは最初にはっきりと言っておくから。ニゲキの実情を映しながら書いてると思ってる箇所は全くないから!
阿部 という風に作者は言ってるんだけど、多くの人がこれはドキュメンタリーなんじゃないかと思うんだよ絶対。
音間 そういう意味で、劇中の座長がニゲキの座長と被ってるところってほとんど無いと俺は思うんだけど、でもそうじゃないと感じる人は多いんだろうなとは思う。ただ、何度でも言います。今回の脚本と、㐧2劇場の内情とは何の関係もございません!
阿部 よくテレビのテロップで出てくるやつだね。「このドラマはフィクションです」ってやつ。
音間 まぁスタッフの関係性とかはそうなってしまうかもだけど。俺が望むと望まざるとに関わらず。
阿部 芝居を作るっていう芝居をしながら、そこにAIが介入してごちゃごちゃしていくから、基本三重構造ですね。芝居の中に劇団があって、その中でまた芝居をする訳だから。あとは、軸になるのはやっぱりメインになる座長とAIとのラブストーリーなんだろうけど、でも機械ですらない情報の塊と生身の人間との恋愛ってどう受け取られるんだろうっていう。
音間 ある種プラトニックではあるよね。
阿部 その辺をできたら暖かく見守ってほしいね、お客さんには。
音間 機械に感情が芽生えるのかどうかっていう問題はよく議論されるんだけど、これに関して哲学的には既に答えが出てて、「感情があるように見えるものに対しては、感情があるという前提で接するのが正しい」と言われてるんだよね。実際に感情があるかどうかは問題じゃなくて、あるように感じるかどうかが問題な訳で。それが感情のような何かであったとしても、見極めがつかないんであればそれは感情であると言っていいのではないかと。と言いつつ、それでも人間は考えちゃう訳じゃないですか。この感情は本物なのかどうかって。でも、実は人間相手でもそんなに変わんないんじゃないかとも思ったりしてね。
阿部 何なら機械とか情報とかの方がまだ正直なのかもしれないね。人間ほどアテにならないものは無い。
音間 データとしてモニタリングできる分、ある種そっちの方が信用できるのかもしれない。むしろ人間相手の方がよっぽど危ういのかも。
大川 晴れて配役も決まった訳ですが、役者陣に関してコメントとかあったりします?
音間 というか、逆に大川が今どういう想いで役に挑もうとしているのかみたいなのは聞きたいな。
大川 私ですか?
音間 一人だけオーディションじゃなかった、ってのも含めて。
音間 話のストーリーを考えている時に、このキャラクターを大川が演じたらどうなるだろう、って思い至ったところでグッとシナリオが動き始めたっていうのは事実だから、確かにある意味全体の中でも特別な役ではあるな。予め各キャラクターに色を付けすぎると、それはそれで当て書きっぽくなってオーディションにはよろしくないと思ったから、それぞれあんまり強烈な個性はまだ付けないようにしてたの。と思ったんだけど、大川とあのキャラクターをリンクさせた瞬間にある程度出来上がっちゃったみたいな部分はあるから、もうこれはしょうがないと思って。配役決まったから、これからは他の役も当て書きになっていくだろうけどね。
大川 とりあえず私の心境としては、今まで出たニゲキの公演の中では一番気合い入ってると思います。そもそも舞台立つの自体久しぶりですし。
音間 他のオーディションで決まった配役についての印象はどうなの?
大川 印象というか、今回全員舞台上で喋るの初めてなんですよ。座組は一緒でも絡むシーンは一度もなかったりとか、仮にあっても舞台じゃなくて映画だったりとかで。新人の子のほとんどは一緒に芝居やるのすら初めてですし。だから印象というよりも、その前にすごく新鮮だし、楽しみですね。
音間 全然そんなこと想像しなかったけど言われてみればそうだ。確かに、昔からいる劇団員と新しい劇団員とが舞台上で絡むってのは割とみんな初めての経験なのかもしれない。っていう意味ではニゲキの新しい姿を見せられるかもね。本公演も久々だし。なんかちょっと、劇団全体に気合いが入っている気はするよ。
(舞監) ……ほんと?
音間 因みに、もし実際に台本生成プログラムみたいなのが世の中に出てきたとしたら、阿部さん利用する?
阿部 もちろん利用する。
音間 俺はもしこのシステムが実在したら自分はどうするだろうっていうのが一つこの芝居を書いていく中でポイントになってて。今のところまだ自分としての答えみたいなのは出てないんだけどね。
阿部 俺は大体答え出てるよ。まずAIに書かせて、俺が書いたフリして出来たよ~ってみんなに見せる。
音間 それはね、法律違反になります。あの世界では。
大川 普通に似たような事して騒ぎになった人現実にもいたでしょ。
大川 もう話す事もなくなってきたので、最後にこれを読んでくださっている皆様へ一言。
音間 え~、全力で面白くしますので、観に来てください。……たまには真面目なこと言わないとね。
阿部 もうこれで、AIに負けて芝居辞めるかもしれません。
大川 ……ありがとうございました。