2019年03月24日

「AIとまこと-完全版-」について、少しだけ。

「AIとまこと -完全版-」が終演を迎え、早くも2週間が経とうとしております。改めてご来場いただいたお客様、行きたかったけどご都合が合わなかった皆様、行く気は無かったけどtwitterくらいは見てたよという方々、まとめてお礼申し上げます。ありがとうございました。作者の音間哲でございます。すでに次公演準備が始まっているなか今さらではありますが、ほんの少しばかり芝居について振り返らせていただきます。

キャラクター1人1人について語りたいこともあるのですが、流石に長くなるので主要な2人についてだけ。まずは主役である座長ことノブハラ。

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 ノブハラのフルネームを漢字で書くと「信原誠」になります。終演後の2劇twitterでもつぶやきました通り、登場人物は全て南総里見八犬伝の8つの徳目「仁義礼智忠信孝悌」から1文字を与えられています。書き始める前に「信」の意味を調べてみると「自分の言葉を最後まで貫き通す」だとか。時代に抗って手書き台本にこだわりながら、最後にジーンが生成した台本を選ぶ彼には、相応しいようで全くの逆です。つまり私はそれぞれのキャラクターを「与えられた文字の徳を持っていない」ように設定していたのです。賢く振舞っているようで肝心のツメが甘い「智」のトモヒコ(演出助手)のように。欠点があるのが愛すべき人間ですもんね。

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ではジーンが「仁」の表す慈愛の心を持っていなかったのか。こればっかりは私にもわかりません。それだけではなく、ジーンは最初から最後まで珍しいくらい私自身にもわからないキャラクターでした。ジーン自身が理解できない存在であることを望んでいた気もします。ジーンに善意、あるいは悪意が存在したのかは今でも気になっているところです。

とはいえ、1人のSFファンとしてはHAL9000のはるか子孫である彼女にデイジー・ベルを歌わせることができて、たいへん満足していますが。(部屋の棚に「2001年宇宙の旅」のDVDがあったことに気づいた方はいらっしゃいますかね?)

ちなみに彼女が口にする「僕はなぜ自分の人生を窓の外から眺めているのだろう」というフレーズ。「アルジャーノンに花束を」を初めて読んだときにとても心に残った一節なのですが、その後、何度再読してもこのフレーズを見つけられたことがないんですよね。読んでる版が変わったから? それとも何かの記憶違い? この芝居と関係あるような無いような、私にとっての最後の小さな謎だったりします。

テーマとかはここで語るよりも、皆様が見て感じたものが正解であるべきですから語りません。ただ一つ言えるとしたら、AIがおはなしを作る時代は割と近いうちに来ると思ってます。個人的に。

「ほんの少しばかり」じゃなかったのかって? 台本書きなんて嘘つきの別称ですからいやマジで。音間哲でした。
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2019年03月12日

AIとまこと-完全版-


遅くなりましたが、『AIとまこと-完全版-』終演いたしました。
ご来場いただき、誠にありがとうございました。

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㐧2劇場の次回公演といたしましては、
新入生歓迎公演
『衛星放送局(サテライトブース)KO^MORI』を4月13日(土)、14日(日)に、大阪大学豊中キャンパス21世紀懐徳堂スタジオにて上演予定です。
新入生の方もそうじゃない方も、ご来場お待ちしております!
詳しい情報は随時公開していきますので、お見逃しなく!
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2019年03月10日

AIとまこと-完全版-

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『AIとまこと-完全版-』
作:音間哲
演出:阿部茂

【日時】
3月8日(金) 19:30
9日(土) 13:00/17:00
10日(日) 11:00/15:00
※受付開始は開演の45分前・開場は開演の30分前

【場所】
音太小屋
〒530-0031 大阪市北区菅栄町3-15



【料金】
一般前売:2300円
学生前売:1800円

一般当日:2500円
学生当日:2000円

【チケット予約】
http://ticket.corich.jp/apply/96666/
続きを読む
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2019年03月07日

音太小屋までの行き方

皆さま、こんにちは!
いよいよ明日から本番です…!
ということで、最寄り駅から、今回の会場である音太小屋までの行き方をご案内します。

天神橋筋六丁目駅から、JR天満駅からの2つをご案内します。



【天神橋筋六丁目駅から音太小屋への行き方】
まず、1番出口から出るとセブンイレブンが見えます。(1枚目)
ここで右側に折り返します。

1枚目
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折り返すと次のような風景が見えます。(2枚目)
ここを真っ直ぐ進んでいきます。

2枚目
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信号と100円ローソンが見えてきます。まだ真っ直ぐ進みます。(3枚目)

3枚目
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あらい整骨院が見えてきます。もう少し真っ直ぐ進みます。(4枚目)

4枚目
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バーMACKを右に曲がります。(5枚目)

5枚目
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曲がると次のような写真が見えてきます。(6枚目)
ここを真っ直ぐ進みます。

6枚目
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右手に音太小屋に見えてきます。(7枚目)

7枚目
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到着です!!


続いて…



【JR天満駅から音太小屋への行き方】
1枚目の出口(南側)を出ると、2枚目のような風景が見えます。

1枚目
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2枚目
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お店の通りを真っ直ぐ進んでいきます。

歩いていると、道が開けます。(3枚目)
ここも真っ直ぐ進みます。

3枚目
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右手にファミマが見えてきます。(4枚目)
真っ直ぐ進みます。

4枚目
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左手にセブンイレブンが見えてきます。(5枚目)
まだ真っ直ぐ進みます。

5枚目
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右手に、「ちとせ北」が見えてきます。(6枚目)
この角を右に曲がります。

6枚目
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すると次のような風景が見えます。(7枚目)
真っ直ぐ進んでいきます。

7枚目
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右手に公園が見えてきます。(8枚目)
もう少し真っ直ぐ進みます。

8枚目
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駐車場が見えてきます。(9枚目)
ここを左に曲がります。

9枚目
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曲がると次のような風景が見えます。(10枚目)
真っ直ぐ進みます。

10枚目
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正面に音太小屋が見えてきます。(11枚目)

11枚目
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到着です!!

以上となります。

それでは、当日のご来場、心よりお待ちしております!!

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2019年02月02日

【2劇通信・幕の内タケ】新人役者インタビュー【AIとまこと】

 今回『AIとまこと-完全版-』に出演する新人劇団員の後藤みゆ・森菜々穂・早川夢の3人に心情を吐露してもらいました。(インタビュー:中村斗輝)


中村 まず、今回の役について、AIの役を演じる後藤さんに伺います。

後藤 今日の稽古で早川さんの運動オンチが面白くて笑っちゃったり、人間っぽいしぐさをしちゃったりすることが多くて、しまったなーと思ってます。

中村 これからどんな風にお芝居を作っていきたいですか

後藤 なんとなく自分の理想のイメージはできてるので、頑張ってそこに近づけていきたいです。

後藤みゆ
 後藤みゆ

中村 ありがとうございます。では、続いて森さん。今回の役について、どうぞ

  私の役、オーディションの時は『スター』とだけ書いてあって。いやスターって何なんだと。私の実生活はそんなに華やかじゃないし、どうしようかなぁって感じです。

中村 ふと気になったんですけど、森さんにとってのスターって誰ですか

  スターねぇ。私はあんまり人にあこがれたことがないなぁ。かっこいいとかかわいいとか、尊敬したりはするけど、その人みたいになりたいと思ったことはないかな。

(一同、意外な返答に驚く)

中村 …なるほど。では早川さんお願いします

早川 正直、オーディションの段階で『私に求められるのはこんな感じなんだろうな』とか思ってた。私がヘマすることを期待されてるっていうか(笑)。私そんなにアホっぽい人間じゃないと思うんだけど。

後藤 えー、なんかでも気づいたら出ちゃってない? そういうのが。

(早川以外大いにうなずく)

早川 待って待って、そんなことないよっ!!

早川夢
 早川夢


中村 今回の公演ではAIが脚本を書くという設定がありますが、実際にAIが脚本を書くとしたら、どう思いますか

  機械が書くものって、100%模倣にしかならないんじゃないかなぁ。AIって『創造』ではなくて『学習』だから、新しいものは出てこないと思う。

早川 AIが書くなら、やっぱりはずれがなくて面白いものにはなると思う。でも、作品を通じて何かメッセージや感動を伝えようとする場合には、実際の経験の重みには勝てないんじゃないかな。

後藤 AIって心の温かさがないイメージがある。私はたぶん先入観でAIを毛嫌いしてしまうから、その作品には共感できないんじゃないかなー。

中村 じゃあ、自分が大好きな作品が、後になってAIの書いたものだとわかったらどうしますか

後藤 えーっ、その場合は……AIでも認めちゃうかな……。

早川 私だったら自分の見る目のなさに絶望しそう。

森菜々穂
 森菜々穂


中村 そもそも、みなさんはAIに対してどういうイメージをお持ちなんでしょうか

後藤 AIは人間がどういうときにどんな気持ちになるのかを全部記憶していると思うけど、人間の気持ちって実際の生体反応を伴っている気がする。ホルモンとか、血圧とか。

だから一見感情があるように見えても、完全に人間と一緒ではないだろうなと思う。

  AIは効率的に生きていると思う。例えばコミュニケーションでも、人間同士だとそれぞれが持ってる言葉に対する感覚の違いがあるから、うまく伝わらないことがある。でもAIの場合はそういうことがないから、もっと効率的に情報の共有ができると思うなぁ。

早川 私はAIに人間らしくなってほしくない。そもそもAIは人間の行ってきた作業を能率的にこなすために造られたわけで。そこであえて人間の真似をさせる理由がないなと思う。人間らしさがないとできないことは、人間がやるべきだよ。せっかく生きているんだから。

後藤 AIが賢くなりすぎたら、能力の面ではぜったい人間を超えてしまう。現時点は人間にしかないものがたくさんあるからいいけど、それすら真似されたら人間の立ち位置がなくなっちゃいそうで怖い。

  でも、AIに子育てはできなさそうだなぁ。子供って愛情がないと死ぬらしいし。

後藤 それを真似することはAIにもできるんじゃない? 愛情があるかないかなんてわかんないし。

早川 人によっては首を絞める行為も愛情表現の一つだからね。

後藤 今だって森ちゃんの気持ちでさえわかんないのに、AIの気持ちなんてわかんないんじゃない?


(以下、思いのほか議論が白熱したため割愛)


中村 例えば今目の前にいる人の脳みそも、実はAIだったっていう可能性も否定できないですよね

後藤 私、小さいころそれすごく考えた。自分以外みんな作り物なんじゃないかって。

  考えた考えた。っていうか、本当は自分がAIだったっていう可能性も否定できないよね。

後藤 人間がモルモットを見るように、人間も知らない間に誰かに見られているのかも。たまに、どこからか誰かに監視されているような気がするもん。

早川 人間はどこまで不幸に耐えられるのか、試されているのかもね。

後藤 結論。世の中はわかんないことだらけ。

  それが一番正解に近いと思うなぁ。


中村 さて、あまりスペースがないので早川さん、今回の公演全体について、思うところをお願いします。

早川 2劇、本気出してきたなという感じ。今まで社会人の方との共演があんまりなかったので、それがすごく面白いです!



公演情報はこちら

posted by 㐧2劇場 at 10:28| Comment(0) | AIとまこと | 更新情報をチェックする

2019年01月14日

【2劇通信・幕の内タケ】対談:音間哲×阿部茂【AIとまこと】

 今回、㐧2劇場にとって久々となる本公演。新年早々上演に向け動き出す劇団員たち。しかし一体どんな物語になるのか、まだ我々の誰にも知る由はない。完全新作『AIとまこと-完全版-』について、新年最初の稽古を終えた後、作・音間哲、演出・阿部茂に話を聞いた。場所はもちろん行きつけの居酒屋「かさ家」。いつもと全く変わらない新年の幕開けである。(インタビュー:大川諒平)


大川 ではまず、今回の作品のあらすじを。

音間 あるところに売れない劇団がありまして、売れないのにはとある理由がありました。その劇団は、よそがみんな使っている台本生成プログラムを使っていなかったんです。新公演を企画するけど、あちこちが破綻して大変なことになってしまう。そんな、AIに頼れない時代遅れな座長と、なぜか彼の傍にいることになったAIの物語。という感じかな。

大川 AIの出てくる話っていう構想が出てきたきっかけみたいなのって何かあるんですか?

音間 将棋の電王戦(コンピューターソフトとプロ棋士による対戦)ってやつで人間側の負けが確定したって時代に、それに関するドキュメンタリーの本を読んだのよ。それで、負けた側の棋士の立場になってみたいなと思って。俺に置き換えるとどうなるのかなって考えたら、AIが書いた芝居が俺より面白いってシチュエーションに行き着いたと。

阿部 その話はね、どうも2014年くらいに既に一度してたみたいなんだよな

音間 俺も昔のファイルとか漁ってたら、丁度その年に内容をメモしたものが出てきて、その時点でほぼ内容も決まってたから、俺そんな前からこの話考えてたんだ、と思って。AIによる台本生成プログラムみたいなのが出てくるんだけど、一応設定としては、プログラムではなくプログラムの使用権的なものが金で買えるみたいな仕組みで、プログラムに台本を一本作ってもらうごとに幾ら、みたいな。で、ソフトの種類とか盛り込んでほしい要素とか、完成度の指定とかで金額が変わってくると。もちろん高ければ高いほど、より芝居の質に関して保証されるっていうね。

大川 物語のカギになるポイントは何でしょう。

音間 人間でもなく、ロボットでもない、実体を持たないAIっていうキャラクターが人間の形をして出てくる、っていうのは一つあるかな。

大川 なぜ人間の形をしてるんですか? 彼女は。

音間 多分いろんな形になれると思うんだよね。たとえば、もっとロボット然としたような姿にもなろうと思えばなれる。ただ、そういう技術的な話に全く興味のない座長が適当に選んだ女の子の姿をしてるだけ、なんだと思う。


大川 今回、キャストを決めるにあたって劇団内で珍しくオーディションを行いましたけど、どうしてオーディションをやろうって事になったんですか?

阿部 まぁ別に当て書きにしてもよかったんだけど、最近、劇団員の数が増えたじゃないですか。折角だから、せめぎあいみたいな事がやってみたかったんだよ。

音間 多分、そもそもオーディションができるチャンスがそうそう無いだろうから、今のうちにやっておきたかったなっていうのが一番だな。

阿部 やってる側としては、みんなを一人ずつ外に呼び出して尋問するの、あれが一番楽しかった

音間 最悪だ

大川 実際にオーディションをやってみた感想は。

音間 うちは大体が当て書きだから、そういう意味では「こんな役がしたい」みたいな選択肢が無いのよ。っていう声が上がってくることもあまり無いし。そういう意味で言うと、役者それぞれの欲求みたいなのがちょっとだけでも垣間見えたのは面白かったな。


大川 演出の阿部さんから見て、今回はどんな芝居になると思いますか?

阿部 これはねぇ、本当にドロドロな芝居になりますよ。久し振りのドロドロじゃないですかね。

大川 と言いますと。

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 阿部茂

阿部 最初に第一稿を読んだ時に、これはうちの劇団の生々しいドキュメンタリーじゃないかと思って。

音間 あのね、特にうちを観慣れてる中でそう感じるお客さんが一定数出てくるんじゃないかとは俺も思うんだけど、これは最初にはっきりと言っておくから。ニゲキの実情を映しながら書いてると思ってる箇所は全くないから!

阿部 という風に作者は言ってるんだけど、多くの人がこれはドキュメンタリーなんじゃないかと思うんだよ絶対。

音間 そういう意味で、劇中の座長がニゲキの座長と被ってるところってほとんど無いと俺は思うんだけど、でもそうじゃないと感じる人は多いんだろうなとは思う。ただ、何度でも言います。今回の脚本と、㐧2劇場の内情とは何の関係もございません!

阿部 よくテレビのテロップで出てくるやつだね。「このドラマはフィクションです」ってやつ。

音間 まぁスタッフの関係性とかはそうなってしまうかもだけど。俺が望むと望まざるとに関わらず。

阿部 芝居を作るっていう芝居をしながら、そこにAIが介入してごちゃごちゃしていくから、基本三重構造ですね。芝居の中に劇団があって、その中でまた芝居をする訳だから。あとは、軸になるのはやっぱりメインになる座長とAIとのラブストーリーなんだろうけど、でも機械ですらない情報の塊と生身の人間との恋愛ってどう受け取られるんだろうっていう。

音間 ある種プラトニックではあるよね。

阿部 その辺をできたら暖かく見守ってほしいね、お客さんには。

音間 機械に感情が芽生えるのかどうかっていう問題はよく議論されるんだけど、これに関して哲学的には既に答えが出てて、「感情があるように見えるものに対しては、感情があるという前提で接するのが正しい」と言われてるんだよね。実際に感情があるかどうかは問題じゃなくて、あるように感じるかどうかが問題な訳で。それが感情のような何かであったとしても、見極めがつかないんであればそれは感情であると言っていいのではないかと。と言いつつ、それでも人間は考えちゃう訳じゃないですか。この感情は本物なのかどうかって。でも、実は人間相手でもそんなに変わんないんじゃないかとも思ったりしてね。

阿部 何なら機械とか情報とかの方がまだ正直なのかもしれないね。人間ほどアテにならないものは無い

音間 データとしてモニタリングできる分、ある種そっちの方が信用できるのかもしれない。むしろ人間相手の方がよっぽど危ういのかも。


大川 晴れて配役も決まった訳ですが、役者陣に関してコメントとかあったりします?

音間 というか、逆に大川が今どういう想いで役に挑もうとしているのかみたいなのは聞きたいな。

大川 私ですか?

音間 一人だけオーディションじゃなかった、ってのも含めて。

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 大川諒平

大川 ……なんて言えばいいんでしょうね、まず、ほかの皆さんが等しくオーディションやってる中で一人だけ先に配役まで決まってるって事は、おそらく自分はそれなりに物語にとって重要な役どころになるんだろうなとは考えましたし、逆に言うと、重要な役どころになるって事は、別枠で選んでもらえたって事も含めて、他のキャストの見せ場全部喰うぐらいの気概でやっていかないとダメなんだろうなとも思ってます、作品的にも芝居的にも。

音間 話のストーリーを考えている時に、このキャラクターを大川が演じたらどうなるだろう、って思い至ったところでグッとシナリオが動き始めたっていうのは事実だから、確かにある意味全体の中でも特別な役ではあるな。予め各キャラクターに色を付けすぎると、それはそれで当て書きっぽくなってオーディションにはよろしくないと思ったから、それぞれあんまり強烈な個性はまだ付けないようにしてたの。と思ったんだけど、大川とあのキャラクターをリンクさせた瞬間にある程度出来上がっちゃったみたいな部分はあるから、もうこれはしょうがないと思って。配役決まったから、これからは他の役も当て書きになっていくだろうけどね。

大川 とりあえず私の心境としては、今まで出たニゲキの公演の中では一番気合い入ってると思います。そもそも舞台立つの自体久しぶりですし。

音間 他のオーディションで決まった配役についての印象はどうなの?

大川 印象というか、今回全員舞台上で喋るの初めてなんですよ。座組は一緒でも絡むシーンは一度もなかったりとか、仮にあっても舞台じゃなくて映画だったりとかで。新人の子のほとんどは一緒に芝居やるのすら初めてですし。だから印象というよりも、その前にすごく新鮮だし、楽しみですね。

音間 全然そんなこと想像しなかったけど言われてみればそうだ。確かに、昔からいる劇団員と新しい劇団員とが舞台上で絡むってのは割とみんな初めての経験なのかもしれない。っていう意味ではニゲキの新しい姿を見せられるかもね。本公演も久々だし。なんかちょっと、劇団全体に気合いが入っている気はするよ。

(舞監) ……ほんと?


音間 因みに、もし実際に台本生成プログラムみたいなのが世の中に出てきたとしたら、阿部さん利用する?

阿部 もちろん利用する

音間 俺はもしこのシステムが実在したら自分はどうするだろうっていうのが一つこの芝居を書いていく中でポイントになってて。今のところまだ自分としての答えみたいなのは出てないんだけどね。

阿部 俺は大体答え出てるよ。まずAIに書かせて、俺が書いたフリして出来たよ~ってみんなに見せる

音間 それはね、法律違反になります。あの世界では。

大川 普通に似たような事して騒ぎになった人現実にもいたでしょ。


大川 もう話す事もなくなってきたので、最後にこれを読んでくださっている皆様へ一言。

音間 え~、全力で面白くしますので、観に来てください。……たまには真面目なこと言わないとね。

阿部 もうこれで、AIに負けて芝居辞めるかもしれません

大川 ……ありがとうございました。



公演情報はこちら

posted by 㐧2劇場 at 22:00| Comment(0) | AIとまこと | 更新情報をチェックする