1988年は、大阪で三本の公演を行いました。
この年の公演は、さまざまな事件が起こったことによって、劇団員の記憶に深く刻まれています・・・。
天満橋の都住創センター(天満橋)にて上演した『PILOT PLANT』(作:四夜原茂)は、
現在活躍中の青山さんが今も忘れられない公演のひとつだそう。
初日の冒頭シーン、三人組で颯爽と登場!
・・・のはずが、そのうち一人がいきなり「すみません、台詞忘れました」と白状。
さらに二度目の登場では、青山さんが「テレビ局に行こう」という台詞をどうしても思い出せず、
なぜか「喫茶店に行こう」と口走った!
その時、残された一人の目が本当に怒っていたそうです・・・。
それから、ワンピースに一万円札をたくさん貼り付けた衣装があったのもこの公演。
お金持ちを表現するには万札を貼る!
非常に分かりやすいというか何と言うか・・・。
実に2劇らしい衣装ですね。
扇町ミュージアムスクエアでの『ハッスルヒロリン危機一髪』(作:四夜原茂)は立身出世劇場さんとの合同公演。
日本の神話をモチーフに、劇場の柱に杉皮を巻き、さらに注連縄を巻き、御神木に見立てるという舞台でした。
芝居のテーマに関わるある要因によって、大きな物議を醸したこの作品。
お客様に配る当日パンフレットでも、ホールの方と揉めたとか。
結局、黒塗りするという結論に落ち着いたようですが・・・。
そしてさらなる事件が、千秋楽の本番中に勃発してしまいました。
ある役者が牛乳瓶で手のひらを負傷!
あまりの出血具合に、白い布で止血しては痛々しすぎるとの判断から、赤い布で止血。
現役看護師の劇団員に応急処置を施されつつ舞台を務め、終演後に病院へ急行し、数針縫ったそうです。
いやあー、ほんとに怖いエピソードですね。気をつけます・・・。
ちなみに、流血を目の当たりにした血に弱い役者がなんと舞台上で失神。
失神しつつ(他の人によると)最後まで芝居をしたらしいです。
演劇ぶっくに写真入りで掲載されて「よくできたエンディング!」と評価されたラスト。
実はそんなシーン、阿部の書いた台本にはなかったというのはここだけの秘密です。